ドコモ、SoftBankとauは契約から2年経過すると違約金がかかる、いわゆる『2年縛り』を見直し違約金のかからない新料金プランを発表しました。
ドコモSoftBankとauの新2年契約
SoftBankの発表と同じ日にauも新しい料金プランを発表し、それぞれ2016年6月から導入するとしています。
ドコモは3月7日に2年縛りの無料解約期間を2ヵ月間に延長することを発表したばかりでしたが、契約の2年縛りを大幅に見直したようです。
SoftBankの新プランは、「スマ放題」「スマ放題ライト」を新しい2年契約プランで加入する事で、加入から3年目(25カ月目)以降、いつ解約しても違約金がかからなくなる。
またauの新2年契約プランも基本部分はSoftBankと足並みを揃えています。
『これまでの2年縛りをおさらい』
これまでの2年縛りは簡単におさらいすると、スマホを契約してからその契約を解約する時には9500円の違約金がかかる。
この違約金がかからないタイミングは2年に1度、契約してから25ヶ月目の1ヶ月間しかなく、その1ヶ月を過ぎてしまうと契約は自動更新されて再び2年間の縛りが発生していた。
当然自動更新された2年契約の途中で解約すると9500円の違約金が発生するので、次の解約のチャンスは最初の契約から4年経過後の49ヶ月目になります。
以後、49ヶ月目の解約時期を逃すと自動更新されてしまうという状況でした。
当初は自分の解約月を把握しているユーザーは圧倒的に少なく、気付いたら26ヶ月目に突入していて自動更新されているという事が続出してユーザーから『解約月を知らせろ!』という不満が強まって来ました。
これを受けて大手3社は更新時の仕組みを見直し解約月を迎えるユーザーに対して解約月を知らせるメール通知を行い始めます。
その後、さらに違約金のかからない更新月を1ヶ月から2ヶ月に延長。
一方で、総務省は携帯電話の解約ルールの根本的な見直しを大手3社に求め最初の2年契約が終了したあとはいつでも違約金なしで解約できるようにする案も検討されましたが大手3社は難色を示していました。
2年縛りは極悪制度だったのか?
2年縛りは、2年使ってくれる事を前提にスマホ料金を割り引きするというもの。
ここで誤解が生じやすかったのは、2年使えばいいんでしょ?という認識のユーザーが比較的多く居た事でしょう。
2年縛りには2つの縛りがある
意外や意外、あまり知られていないのが2年縛りの種類です。
①契約を主とした2年縛り
これは、皆さんご存知の人が多い2年縛りです。
スマホやガラケーを契約する時に結ばれる縛りで、契約開始月を起点として2年経過する前に解約すると違約金が発生するというものです。
②月々割引の2年縛り
契約時に端末代金を2年間に分割して割引するもので、端末代を実質0円にする為のものですね。
わかりやすく例えるならば、2万4000円の機種を2年間で分割しようとした場合、毎月1000円の機種代金が発生します。
ところが、月々の利用料金を1000円値引きする事で機種代金の1000円は相殺される事になります。
2年間これを続ければ機種代金は実質0円になると言うカラクリです。
よくありがちな勘違いとして機種代金の残りを全部払ったから解約しても平気だと思ったのに、いざ解約しに行くと違約金が発生したというトラブルが多いようです。
これは②の2年縛りを解消しただけで①の縛りは生きている為に起こるトラブルです。
MNPを利用して他の携帯電話事業者に移ったり、解約して格安SIMや格安スマホ事業者に移ったりする時に25カ月目でなければ違約金が発生することを知らず『違約金を請求された』『支払いたくない』『2年以上使っているのにどうして?』
といったトラブルが全国の消費生活センターなどに報告されているのもこのためでしょう。
これは通信業社側とユーザー側両方に問題がある側面と通信業社側だけに問題がある側面がある。
通信業社側は意外と重要な情報なのに2年縛りの事をサラッと説明するだけ、ユーザー側は意外に重要な2年縛りに対する意識があまりない。
これはスマホを契約する時に解約の事まで考えないという心理が働いているためでしょう。
また、仮に2年縛りの事を意識しているユーザーであったとしても、2年経てば自分が何年何月にスマホの契約をしたかなんて記憶は薄れていく事がほとんどでしょう。
そして解約月が、僅か1ヶ月だけという短さ。
解約月を意識していてもウッカリ解約月の事を忘れてしまっていて気付いた時には自動更新されていたという事例が続出した事からも通信業社側の狙いはこれでは?と勘ぐってしまう。
そもそも2年縛りの自動更新という制度自体がおかしな制度で25ヶ月目以降も2年間ユーザーを縛り付けるなんていうことはユーザーの囲い込み意外のなにものでもない。
最初の2年縛りは理解出来るとしてもそれ以降の縛りは全く意味不明。
スマホや携帯の契約に『解約金なし』の契約が存在している事は知っていましたか?
実はdocomo、au、SoftBankといったキャリアは解約金なしの契約、つまり2年縛りじゃない契約も結べるんです。
もちろん、2年縛りを選択しなければ、割引が受けられず毎月の利用料金は割高になってしまいます。
ところが、問題はそこではなく、解約金なしの契約に関する説明がほとんど無い事です。
あたかも2年縛りが当然かのように2年縛りへとレールが敷かれているのが現状です。
だから解約金なしの契約が存在する事を知らない人も結構居るワケなんですね。
苦情多発の2年縛りについにメスが入った
総務省がスマホの更新時期に対してユーザーの認識が不足しているとして
「携帯会社による契約内容の説明方法、契約期間終了を通知する仕組みの改善状況を検証、検討する」と言う報告書をまとめていました。
そして今回大手3社は最初の2年が経過した後の自動更新を廃止して更に違約金も無くすという改革に踏み出したわワケです。
新2年契約の落とし穴?転んでもタダでは起きない体質は健在。
自動更新がなくなり25ヶ月目以降いつ解約しても違約金が発生しないと聞けば一見良い事に聞こえますが、そこは大手3社。
転んでもタダでは起きない体質は根強いです。
新2年契約のプランは従来のプランに月額300円追加する事で加入出来る。つまり
新プランは現行のプランから月額300円値上がりするので、2年間(24カ月)支払っていくと合計で7200円かかる。
新プランで2年8カ月経過すると9500円の従来の契約解除料を超えてしまうプランであるため注意が必要です。
元々2年縛る事を前提に基本料を割り引いていたと考えると縛りがなくなった事で料金が上がるのは当たり前という考え方もありますが、それも最初の2年は今まで通り縛るワケですから最初の2年から値上げするのはどうなの?という考え方もあります。
縛りのない3年目から値上げするというのなら、まだ理解は出来ますが、この巧妙な料金設定は流石と言うしかありません。
格安スマホの需要が急激に伸びている事も納得できますよね。
結局の所新プランは25ヶ月から32ヶ月目に解約するユーザーにしか恩恵がない制度なので、総務省がどう判断するのか注目したいと思います。
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