私も含めて生命保険というのは、若いうち(10代~20代)はあまり気にする事ってなかったのではないでしょうか。
個人差はありますが、20代の後半から30代と年齢を重ねる毎に徐々に生命保険のことを気にしだすと思います。
保険を気にしだす時に多い動機が、やはり身近な人の死に直面したり、結婚をして家庭を持ったという場合でしょう。
40代が近づいてくると現実的に『老後』というものを意識し始めると思いますし、加齢と死というものは避けられる事のない決定事項なんです。
老化を止める事は出来ない、やがて来る死から逃れる事も出来ない、だったら少しでも老後の為や自分の死後に残された家族にお金を残そうという考えに至るのは自然な事です。
ただ、生命保険の選び方や加入方法は詳しく解説しているサイトはあっても保険金の受取について詳しく解説しているサイトというのは多い印象がありません。
そこで当記事では生命保険の受取について疑問に思う事や注意事項についてまとめていきたいと思います。
生命保険の受け取りとは?
生命保険に加入するというのは上記で書いたように、老後の事を現実的に考え始めたり、身近な人の死によって自分の死について強く意識した場合や
結婚をして過程を持った事などという動機が多いものです。
反対に保険の受け取りというのは、アナタが遺族であったり、保険の受け取り人に指定されているという場合でしょう。
この保険の受け取り人として実際に保険金を受け取る機会というのは人生の中でそう多く経験することではないと思います。
なので実際に保険金を受けとる時になって手順が良くわからないなどの問題に直面する事も珍しくないです。
一般的に『こんな場合はどうすれば良いの?』という疑問に思う事を解説していきたいと思います。
保険金は請求しないと支払われない
意外と勘違いしやすいのが、保険金の受取り人になっているから自動的に保険金が受け取れると思っている人がいる事です。
被保険者が亡くなったからといって保険会社から自動的に支払い通知がきて保険金が支払われるわけではありません。
保険金というのは受取人から請求があって初めて支払われるんです。
保険会社は保険加入者が今日時点で生きているのか、亡くなっているのかを都度調べるワケにはいきません。
ですので、被保険者が亡くなった場合は受取人が保険会社に被保険者の死亡の事実と保険の請求を連絡しなければいけないです。
保険会社に連絡をする際は保険証券を用意しておく必要があります。
保険の請求自体は保険会社に電話をするだけですし複雑な書類を作成する必要もないです。
保険会社に連絡をすれば請求に必要な書類や用紙が送られてくるので保険会社の指示に従って記入して手続きをするだけです。
手続きが終わると一般的には必要書類が保険会社に到着してから5日程度で保険金の支払いを支払う事になります。
保険会社の方で調査が必要な場合は保険金の支払いまでに時間が掛かる場合もあります。
保険金の請求には保険法が規定されていて3年で消滅時効が成立すると定められていますので、いつまでも保険金の請求をしないでいると事項で請求できなくなってしまいます。
- 保険金は請求しないと支払われない
- 保険金のは3年で時効なので3年以内に請求する
- 請求時は保険証券を用意する
保険証券を無くした場合は?
保険の請求に保険証券が必要だという事はわかったと思いますが、保険証券を紛失してしまったら、どうすれば良いのでしょうか?
結論から言うと保険証券を紛失した場合でも保険金の請求は出来ます。
保険証券の紛失が被保険者が健在の時であれば再発行する事で解決しますが、問題は被保険者が亡くなった後に保険金の請求をする際に証券の紛失が判明した場合でしょう。
この場合は保険会社に保険証券を紛失した旨を伝えて、被保険者の生年月日、名前を伝えて保険契約の成立と契約内容を確認してもらいましょう。
保険会社は確認が取れ次第支払いの準備に入るので通常通りの手順で手続きをすることになります。
心配するような、保険証券を紛失したので保険は無効ですなんて言う事は無いので安心してください。
保険契約の成立と内容の確認が取れれば良いんです。
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保険受け取りの疑問
被保険者の死亡をもって、保険金の支払いをするというのが基本なのですが、中には保険金が支払われないケースもあります。
毎月キチンと掛け金を支払っていたのに肝心な時に保険金の支払いが拒否されるケースというのはどんな時なのでしょうか?
稀なケースから比較的多いケースまで見ていきましょう。
保険金が支払われないケースとは?
非献金んが支払われないケースで最も多いのは保険金詐欺の疑いがある場合でしょう。
保険金目当てで被保険者の命を奪ってしまった場合は当然保険金の支払いはされません。
その他のケースは以下の通りです。
- 保険会社が定める期間内に自殺をした場合
- 被保険者が犯罪を犯し死刑になった場合
- 戦争などで死亡した場合
- 告知義務を怠った場合
上記のような理由で保険金が支払われない理由というのは、支払いを行うと保険制度の健全な運営に支障がでる事と公益に反するからと言われています。
あくまでも生命保険というのは、計画的な死を認めませんし死のリスクが上がる行動も認めません。
具体的に説明していきます。
保険会社が定める期間内に自殺をした場合
保険というのは約款という物があって細かく保険金の支払いの条件が定められている場合が殆どです。
自殺に関しても約款で規定している場合が多く、基本的に被保険者が自ら命を絶った場合というのは保険金は支払われません。
ただ、自殺であれば全てのケースで支払いが拒否されるワケではなく、保険金が支払われるケースもあります。
これは自殺の定義に関係する事で、保険金の支払いが否認される自殺は被保険者が自分の自由意志のよって意識的に自殺を行い命を絶った場合です。
この定義については加入している保険会社の裁量という側面もあるのですが基本的には以下のケースは支払いが認められる事が多いです。
【保険契約から3年経過後】
保険約款では被保険者が保険の契約をして3年以内の自殺には保険金は支払われないという規定があるのですが、保険契約から3年以上経過している場合には保険金の支払い対象になる場合があります。
【精神疾患による自殺】
ケースバイケースなのですが、精神疾患の発症が保険契約の後である場合には保険金の支払い対象になります。
精神疾患という原因は自由意志っでの自殺に該当しないというのが現在の解釈なので裁判例を見ても精神疾患による自殺は自殺には当たらないという判断があります。
この場合は保険契約から3年未満であっても保険金の支払いの対象になるケースが多いでしょう。
【人名救助の結果死亡した場合】
戦争や紛争に参加した場合、命を失うリスクが高まる事を意識しているので保険金は支払われないのですが、例えば目の前で命の危険にさらされている人を
危険を承知で救助しに行った結果、被保険者が死亡してしまった場合というのは自分の命の危険がありながら救助に行った事をもって自殺という認定にはなりませんので
保険金の支払いの対象になります。
被保険者が犯罪を犯し死刑になった場合
滅多にないケースなのですが、被保険者が犯罪を犯し死刑になった場合、当然保険料を納め続ければ保険契約は継続されるのですが
刑の執行によって命が失われた場合は保険金の支払いは否認対象です。
戦争などで死亡した場合
戦争や紛争などに参加した被保険者が死亡した場合は保険金の支払いは否認対象です。
基本的には戦争や紛争というのは日常生活に比べて命を落とす可能性が圧倒的に高まるので、戦争や紛争に行く事を前提とした保険加入は出来ない場合が多いです。
義務告知を怠った場合
保険の契約時には告知義務というものがあって、保険契約時点で病気は抱えていないか、抱えている場合はどのような病気なのかといった事を正直に告知しなければいけません。
例えば、進行している癌を隠して保険の契約をしたり精神疾患を隠して保険契約をした事が判明した場合は告知義務違反に該当するので
保険契約日から5年以内であれば保険会社は契約を解除する事が出来ます。
また発生した保険金の支払いを否認する事も出来ます。
一応契約から5年という括りがあるのですが、5年経過していても保険約款によって詐欺により契約は無効となる事もあります。
保険会社の約款によって左右される部分もあるので約款をしっかりと確認する事はとても重要です。
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保険の受け取り人が先に死亡したら?
生命保険というのは必ず『受取人』がいるのですが、受取人が被保険者よりも先に死亡してしまった場合はその保険金の受取人はどうなるのでしょうか?
例えば病気で入院中のお父さん(被保険者)が生きているのに受取人であるお母さんが事故で亡くなってしまった場合
契約上は受取人不在という形になってしまいます。
その後、被保険者であるお父さんが亡くなった場合、保険金の受け取り人は誰になるのでしょうか?
この場合はお母さんの相続人が受取人になります
保険法の75条では受取人が亡くなった場合はその相続人全員が受取人になると規定していますので受取人は相続権のある人達という事になります。
例えば被保険者と受取人が夫婦で受取人の相続者が実の子という場合には良いのですが、中には被保険者と受取人が夫婦ではないというケースもあります。
この場合は被保険者にも受取人にも、それぞれ相続人がいる事になるのですが、保険金は『受取人の相続者』が受け取ることになります。
被保険者の相続人ではないので勘違いしないようにしましょう
さいごに保険金の時効に注意
生命保険の時効なんて、その前に請求しますよと思う人が多いとは思いますが、被保険者が保険に加入している事自体を知らなかったら時効になってしまう事もあると思います。
保険金の請求は無制限で出来るワケではないです。
3年で消滅時効が成立するので、そうなってしまうと保険金の受け取り資格がなくなってしまいます。
保険金の受け取り方がわからないと言っている場合は、保険金の存在について知っているということなので時効の成立まで放っておく事はないと思います。
家族の保険加入の実態を知っておく事は大切な事なので普段から家族のコミュニケーションをとる事で情報の共有をしておく事が理想的でしょう。