イギリスやフランスでは2040年までにガソリン車やディーゼル車を廃止して
販売を禁止にするという方針を示しています。
また、これに続いてToyotaも同じく2040年代にガソリン車のゼロ化を目標にしています。
世界的にガソリン車の廃止の機運が高まっていて、その代替えとして注目されているのがEV車いわゆる電気自動車なのですが
現実的にガソリン車が全面的に禁止となり電気自動車が市場を支配する事は有り得るのでしょうか?
ガソリン車と電気自動車の未来は?
ガソリン車が禁止の大きな背景には二酸化炭素の排出の問題があります。
ガソリン車は石油由来の燃料を使っているので必ず有害なガスや二酸化炭素(CO2)を排出します。
ガソリンを使う内燃エンジンというのは排出ガスゼロを達成する事は出来ないので将来的に消えて行く運命である事は間違いないと思います。
現在の時点ではガソリン車の普及は圧倒的でガソリンエンジンの開発は今でも世界で活発に行われているので
ガソリン車がゼロという完全廃止になる未来はまだまだ遠い先の事だと思います。
ガソリン車は廃止になっても内燃エンジンはなくならない?
世界的にガソリンやディーゼル車の廃止がトレンドになっている昨今ですが
実はガソリンの廃止と内燃エンジンの廃止は別問題だと考えられます。
というのもバイオマス燃料というものがあるからです。
バイオマス燃料というのは生物体(バイオマス)の持つエネルギーを利用した燃料の事で、従来の化石燃料(ガソリンや軽油)というのは
一方的にCO2を排出するだけなのに対してバイオマス燃料は植物由来の原料が生育する過程においてCO2を大気中から吸収しているので
例え燃やしてCO2の排出は相殺されプラマイゼロと考えられています。
ただ、問題点が全くないというワケではなく、例えばエンジン用のバイオマス燃料はエタノールが主流と考えられていますが
この時にサトウキビやトウモロコシを発酵させてエタノールを作るのですが大量に発酵させると考えると
必然的にサトウキビやトウモロコシが枯渇し食料としてのトウモロコシの値段が上がるという言う事が起こります。
安価で大量生産できる可能性が高い『藻』をバイオマス燃料とする事に期待されていますが
やはり直ちにガソリンに取って代わる燃料として機能するには時間が掛かるでしょう。
バイオマス燃料のポイント
- 植物や動物など再生可能資源から作られた燃料。
- 燃焼するとカーボンニュートラルCO2を排出する。
- いろいろな種類のバイオ燃料が開発中。
時代は低燃費からゼロエミッションへ
地球温暖化の原因とされるCO2と人体に悪影響を及ぼす排気ガスが問題になっている現在ですが
1960年代までは燃費は二の次でエンジンの出力を上げる為にターボチャージャーをつけたりと馬力を上げる事が主流でした。
1970年代には大気汚染が深刻化して、CO2による地球温暖化が問題となり自動車もその問題に対して無視を決め込む事が出来なくなりました。
有害物質を排出する排気ガスの規制が強化されていき今では排ガスはかなりクリーンなレベルになってきています。
ただ、旧車というのは今でも走っていますし、また発展途上国では車の排気ガスの規制は先進国に比べて規制自体が緩く
また、意識も低い状態ですので地球という規模で考えた場合には排気ガスの問題はまだまだ改善というには足りないと言われています。
近年では排気ガスやCO2の問題とともに省資源の観点から燃費の向上が求められている時代ですので低燃費車が多く販売されるようにはなりましたが
どんなに燃費が向上してもガソリンを使っている限りは排気ガスもCO2もゼロにはなりません。
そこで最近では一切の排気ガスを排出しないゼロエミッションの車にするべきという考え方がスタンダードになっています。
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ゼロエミッションが期待出来る車とは?
低燃費や環境に良い車と聞くと、ハイブリッドを連想する人もいると思いますが
ハイブリッド車というのは通常は内燃エンジンと電気モーターを組み合わせた車です。
ハイブリッド車は排気ガスはガソリン車に比べて少ない事は確かなのですが、排気ガスを全く排出しないワケではないです。
現在にハイブリッド車に対する評価というのは厳しいものになってきているのが現状です。
というのも実際にアメリカのカリフォルニアではハイブリッド車はエコカーの対象から外れます。
カリフォルニアは特に排気ガスやCO2に対して厳しい場所という事もあるのですが、将来的に世界的にハイブリッド車がエコカーではないという評価た定着する事は避けられそうにありません。
では、完全なるゼロエミッションが達成可能な車とは一体どんな車なのでしょうか?
電気自動車
電気自動車という車を知っていますよね?
簡単に言えば電池に蓄えた電力を使って走行する車です。
電力だけで走行するので当然、排気ガスという概念がありません。
この電気自動車というのは実はガソリン車よりも古く、歴史があるという事を知っていますか?
電気自動車の歴史というのは古くてガソリン車よりも早く登場しているんです。
その当時というのは電気、ガソリン、蒸気の車によって市場の覇権争いが行われていました。
その中でガソリンエンジン、そしてその後に登場して来たディーゼルエンジンが急速に発達した事で
内燃エンジンが一気に主流となり、電池の性能があまり向上しなかった電気自動車は衰退していきます。
このように電気自動車というのは環境問題が浮上するよりも、もっと早くから登場していた車なんです。
排気ガスの問題やCO2の問題、そして石油ショックなどが重なり、忘れ去られていた電気自動車に再び光が当たり始めました。
そして最近になり電気自動車の存在感は増してきていて、アメリカでは自動車メーカーは一定のゼロエミッションビーグルを生産して販売しなければ
内燃エンジンの車を販売する事が出来ないという規制が強化されています。
ただ、電気自動車には課題があり、その課題というのは過去に電気自動車が競争に敗れた時と同じく
電池の性能による航続距離の短さです。
現在はリチウムイオン電池が主流なのですが、それでもガソリン車と比較して航続距離は半分程度となっているので
電池の向上というのは必須の対応項目でしょう。
電気自動車の課題
- 航続距離の問題。
- 画期的な電池の開発。
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燃料電池車
燃料電池車というのは燃料電池を搭載して発電した電力で走行する車です。
燃料電池という呼び名から、電池を搭載しているとイメージすると思いますが、電池というよりは発電機を搭載していると考えた方が良いでしょう。
仕組みは水素を燃料として空気中の酸素と化学反応を起こさせて電気を作ります。
走行時に排出されるのは水だけなので非常にクリーンですので電気自動車と並んで完全ゼロエミッションが達成できる車です。
水素を使った燃料電池車は電気自動車と比べて期待が出来ないという評価も多いですが、私は個人的にはそうは考えていません。
というのもトヨタのMIRAIはたった3分の充鎮で650km走行する事が可能となっているので電気自動車よりも航続距離は優れていると言えます。
そう考えると、ネックなのは水素充鎮のインフラが整っていない現状と車両価格が高額である事でしょうか。
そして水素というのは2次エネルギーから作り出す必要があるので手間とコストがかかるという問題もあります。
ただ、世界では水素社会というものが現実的に考えられていて水素エネルギーの利用が始まっていますし
日本でも水素社会化に向けたインフラの整備が進めらています。
例えば家庭用の燃料電池である『エネファーム』の普及が進んでいる事も将来的な水素社会へのステップの一つなんです。
さいごに
電気自動車も燃料電池車でもゼロエミッションが達成できる事に変わりはありません。
遠い未来の話しではなくて、すぐそこの近未来の話しとしてゼロエミッションは実現に向けて急速に進んでいくと思います。
急激に普及したスマホのように、あっという間に普及する可能性もありますよね。
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